親の介護

嚥下障害による誤嚥性肺炎は、とても危険な病気だと知らなかった!

誤嚥性肺炎は、とても怖い病気で、簡単に命を奪ってしまう病気だと知りませんでした。

父は体に異常があるとすぐに病院に行くタイプの人でした。

膀胱ガンも早期発見し、他に転移することもなくほぼ完治しました。

多少、高血圧気味ではありましたが、胃や腸、大腸やその他の肝臓、腎臓などの臓器も問題はありませんでした。

パーキンソン病になってからは、手足の動きが悪くなってはいましたが、食欲も旺盛で元気にしていました。

声が出にくくなった

いつからか声がかすれて、出にくくなっていたのですが、特に心配はしていませんでした。

ところがこれを放っておいたことが、良くなかったと後になってわかりました。

しゃべることが少なくなって声帯の筋肉が細くなってきていたようです。

そして、ニオイや味をあまり感じなくなると、食事の量が減って体重が落ち、やせ細ってきました。

やせ細ることで、さらに声帯の筋肉がやせ細り、のどの奥の声門がうまく閉じなくなってきていたようです。

声門がきちんと閉じられないと声として出ていかないので、声が出にくい状態になっていました。

声門が閉じられないと声が出ないばかりでなく、食べた物や唾液がそのまま声門を通過して気管に入ってしまう症状(誤嚥)を引き起こしやすくなっていました。

嚥下障害(えんげしょうがい)→ 誤嚥(ごえん)

嚥下」とは、食べた物をうまく食道を通して飲み込んで胃に送ることで、飲み込む動作が上手くできない状態を嚥下障害と言います。

食道に入るべき食べた物・飲んだ物が、誤って気道を通って気管に入ってしまうことを誤嚥と言います。

気道に食べ物や飲み物を入れないようにするためにノドには喉頭蓋(こうとうがい)という気道にフタをする役割のものがあります。

しかし、万一、このフタの閉まりが悪くても、奥の声帯がきちんと閉じていれば気道に入るのが防げますが、声帯がやせ細ってピタリと閉まらず隙間が出来てしまうと、すり抜けて入ってします。

まさしく父は、気道に入らないようにする役割の声帯が、やせ細って機能しなくなっていました。

気道にしっかりとフタが出来ないので、口の中の食べ物や飲み物、唾液までも気道から誤って入ってきてしまう状態になっていたのでした。

誤嚥を引き起こしやすくなってしまうと、食べ物と一緒に細菌が肺に入ってしまい誤嚥性肺炎を引き起こしてしまいました。

治療により誤嚥性肺炎はすぐに治りましたが、誤嚥をしないように口から食べ物を入れいることはやめて、点滴により栄養分を摂ることになりました。

しかしながら父の場合は、気道に入らないようにする声帯が開いたままになっていたので、唾液がそこから気管に入って気管支炎を起こしていました。

肺が弱ってくると酸素の吸収率が悪くなり、酸素マスクをして酸素を吸入しても十分な呼吸ができない状態になります。

ノド以外の部分は悪いところがなくても、呼吸ができなければ生命維持ができなくなってしまいます。

まさか嚥下障害から、こんなに簡単に亡くなってしまうとは思いませんでした。

誤嚥性肺炎での死亡割合

その後、調べてみると

日本において肺炎は、がんや心疾患についで3番目に多い死因でした。

肺炎で亡くなる方のほとんどは高齢者です。

しかも肺炎で亡くなる方の7~8割は、誤嚥性肺炎によるものだそうです。

さらに高齢者は間違って食べ物を気管に入れてしまった場合に、その異物を吐き出す機能が衰えているため、誤嚥を起こしやすく、誤嚥性肺炎にかかりやすいのです。

手足の動きは悪くなっていましが、内蔵も異常ないし、ガンの再発もなく特に健康的には問題はなかった父なんですが・・・。

ニオイや味をあまり感じなくなって、食事の量が減ってきてからは急激に体重が落ち、やせ細ってきました。

急激に痩せたことなどで、声帯の筋肉がやせ細り、喉の奥の声門がうまく閉じなくなって常に声門が開いたままになり、食べたものや唾液がそのまま声門を通過して気管に入ってしまう症状(誤嚥)を引き起こしやすくなっていました。